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木造ラーメン構法【SE構法】活用事例
グリッドで自由を広げる自主的な学びの場
浅間山の裾野の緩やかな斜面地に建つ、全寮制の国際高等学校の第2校舎棟。次ページに紹介する第1校舎棟の拡張計画となる。設計を担当したシーラカンスアンドアソシエイツ
(CAt)はまず、学校独自のカリキュラムや教育方法のリサーチから始めた。授業はすべて選択制で、受講者数に合わせて教室の割り当てが決まる。そこで、拡張性のある教室や、廊下ではなく移動空間でもあり学習空間でもある場が導き出されていった。この各教室や職員室などをつなぐフレキシブル・ラーニング・エリア(FLA)と呼ばれる空間には、円形の図書スペース、充電用コンセントが備わった階段状のベンチ、自習机や談笑スペースなどが設えられている。建物全体のプランは大きな3つの正方形が雁行するように連続し、内部では雁行する動きに合わせるかのように、教室の壁が斜めに配されている。プランニングを決めているのは、5,900mmの半分の2,950mmというグリッド。この通り芯に沿って、柱が立てられている。当初は6,000mmグリッドが検討されていたというが、軽井沢町の条例で屋根勾配が1/5以上と定められており、登り梁の材長が経済寸法の6,000mmを超えてしまう。そこで、経済寸法で納まるように平面グリッドのほうを縮小して調整された。雁行するプランは、大きな正方形をグリッドの半スパン(2,950mm)だけずらしながら計画され、梁はどちらかのグリッドに則ってかかっている。そして建物は斜面に沿って計画されており、南西に向かうにつれて床面は350mmずつ下降。構造のグリッドは変えないまま、床面のレベルには最大で700mmの差が付けられた。
SE構法の合理性を活かしながら生まれた、自由で多様性のある連続空間。生徒が自主的に思い思いの方法で、学びを実践するための環境が整えられた。
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